1960年4月8日、アメリカのウェストバージニア州のグリーンバンク国立電波天文台で世界初の電波による地球外文明探査、SETIが始まりました。
この計画を提案したのは、現在『SETIの父』と呼ばれている天文学者フランク・ドレーク博士で、この計画は、『オズの魔法使い』に登場する王女の名にちなんでオズマ計画と名付けられ、スタートしたのです。
探査について
この探査の目標の天体は、それぞれ10.8光年と11.8光年離れたくじら座タウ星とエリダヌス座イプシロン星で、1日当たり10時間から12時間、恒星から発せられるかも知れない電波信号を観測するというものでした。
この観測は、30日間続けられました。
観測中の思いがけない出来事
初日はまず、6時間ほどくじら座タウ星を観測しました。
しかしノイズしか得られなかったため、望遠鏡をエリダヌス座イプシロン星に向けました。
すると、イプシロン星の観測を始めるやいなや、スピーカーからパルス音が聞こえてくるのです。
その音は、規則的に1秒間に8回のパルスを打っていて、これは、ドレーク博士が事前に考えていた電波信号とピッタリ合うものでした。
博士をはじめ、スタッフは皆驚き、再びイプシロン星にアンテナを合わせてみましたが、再び信号は現れませんでした。
この信号は、宇宙人からの短いメッセージ
だったのでしょうか?
信号の正体
それから、10日ほどたって謎は、あっさりと解けました。
信号は、近くを飛んでいた飛行機からきたものだったのです。
残念ながら、イプシロン星の異星人ではありませんでした。
オズマ計画の後、世界各国で行われたSETIは約40件にものぼります。
また、現在も様々な観測がおこなわれています。
しかし、まだ宇宙人とのコンタクトに成功した例はありません。
いつか必ず宇宙人と交信できることを信じて、SETIは続いていくでしょう。