META SETI
META SETI は、ハーバード大学で1985年より続けられている SETIプロジェクトで、「全天探査」を行っています。
使用しているのは、ボストンの郊外、オークリッジにある36mの望遠鏡。
この望遠鏡をある高度で子午面(北から天頂を通り南にいたる面)に固定しておき、地球の回転を利用して、その高度の空の帯を観測します。
次の日には、望遠鏡の角度を0.5度だけかえて、前の日とは別の空の帯を観測するのです。
これを繰り返していくと、ほぼ1年間でオークリッジから見える空の全域が調べられる、ということになっているのです。
また、映画『E.T.』の監督S.スピルバーグは、SETI計画に理解を示しており、惑星協会をとおして10万ドルをMETAに寄付したそうです。
NASAのSETI
NASAでは、2つのプロジェクトが進められました。
1つ目は、JPL(ジェット推進研究所)が担当する「全天探査」で、METAに似た性格のものです。
これは、周波数1ギガヘルツから10ギガヘルツの領域を20億チャネルに分けて調べます。
これでは、主に、オーストラリアやカリフォルニアにNASAが持っている望遠鏡が使われました。
2つ目は、SETI研究所が担当した「目標探査」。
これは、地球から80光年以内にある約1000個の太陽型の星を、1ヘルツの幅で、1ギガヘルツから3ギガヘルツまで調べ、雑音の中から、人工のシグナルを探すというものです。
この探査には、グリーンバンクにあるアメリカ国立天文台と、アレシボ天文台の望遠鏡(世界最大)が使われました。
従来の探査より、300倍も弱い電波をキャッチすることができるそうです。
NASAによるこれらの探査は、1992年10月に始まり、約6年間続く予定だったのですが、1993年10月に、予算削減のために中止されました。
しかし、SETI研究所が進めていた目標探査はその後、民間の財源を得て実行され、この計画は、『フェニックス計画』と呼ばれています。
まさに、不死鳥ですね。
NASA宇宙追跡ステーションの衛星追跡用アンテナ
(オーストラリア)