image火星に生命がいる?



砂漠の惑星

976年、アメリカが打ち上げたバイキング1号と2号が相次いで着陸し、生命がいるかどうかいくつかの調査を行いました。
中でもまず最初に行われたのが、写真撮影による調査でした。
しかしそこに広がっていたのは、私達が昔から想像していた火星人がいる世界とはかけ離れた、岩石が散らばった赤茶けた砂漠の世界だったのです。

また、バイキングは火星の土壌分析も行いました。
岩石の下など、最も生命の存在しそうな場所からサンプルを採取し、生物がいないか調べたのです。
しかし、生命の元となる有機物は全然発見できず、火星には生命が存在しないことが示されたのです。
残念....



ball 水が火星にもあった!

一方、バイキングの調査結果で、研究者たちをとても驚かせたことがありました。
火星の表面に、いくつもの干上がった河床のような溝が走っていたのです。
これは、明らかに火星にかつて水が流れていたことを表していました。

水が液体で存在するためには、気温が摂氏0度から100度の間でなければなりません。
しかし、火星は太陽から遠すぎると同時に、それ自身が小さすぎて大気の中に十分な二酸化炭素を保つことができず、温室効果を失ってしまっています。
そのため、かつて火星表面にあふれていた水は、現在凍りつき地下に眠っているのです。

水が液体で存在することは、生命にとって最も重要な条件です。
このような条件をかつて満たしていた火星に、生命が生まれたことはなかったのでしょうか?


ball 火星に生命がいた?

かつて水惑星であった火星は、その後、大気と水を失い、地表は、冷えて乾燥し、砂漠のようになりました。

このように、火星の環境が激変したのは、約30億年前だと推測されています。
もし、その頃に生命が生まれていたならば、その生物は、岩の中で生き延びた可能性があると考えられています。
なぜなら、火星とよく似た環境をもつ南極の砂漠の岩石に生きた地衣類が発見されたからです。
このことにより、「火星に生命があるかもしれない」という望みはまだ捨てられていません。

研究者たちは、その答えを知るために、火星への有人飛行を心待ちにしているのです。


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