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惑星の探し方


惑星を探す理由

「なぜ、惑星を探すの?」と、思う人はいないでしょうか?

知的生命を探すことを考えた時、どこかに私達人類が住んでいる地球と同じような環境があれば、そこが生命にとても適した環境であると誰もが考えるでしょう。
また、地球と同じような惑星があれば、私達と同じような知的生命が存在するかもしれないと期待を抱きたくなるものです。
だから私達は、夜空にきらめく無数の星の中に、別の太陽系がないか、つまり惑星がないか探しているのです。


ball 地球の特徴

では、「地球のような惑星」とは、いったいどういうものなのでしょうか?
太陽系の中でも特に「地球」がもつ特徴は、

ということができます。
これを満たした惑星があれば、そこには生命が存在する確率が高そうです。


ball 惑星の探し方

さて、次は、「どうやって惑星を探すのか」ということについてまとめてみましょう。

惑星を見つけるというと、「望遠鏡でみればいい」と思われるかもしれませんが、そうはいきません。
惑星と恒星のみかけの明るさは恐るべきほど違います。
(惑星の明るさが1なら、母星である恒星の明るさは惑星の約1億倍にもなります。)
この差は、半端ではありません。
これほどの差があると、地上にある望遠鏡で太陽系外の新しい惑星をみつけることは、不可能なのです。

しかし、惑星が見えなくても、他の星をまわる惑星を見つけられないでしょうか?
それには、5つの可能性があります。

  1. 宇宙望遠鏡(HST:ハッブルスペーステレスコープ)の利用

  2. 惑星の重力による母星の運動の変化

  3. 母星のスペクトルのドップラー効果による変化

  4. 惑星の電波の検出

  5. 赤外線放射の検出

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ball 第1の方法

『宇宙望遠鏡の利用』

現在の地上にある望遠鏡では、空気によって「ぼやけ」が生じ、星を鮮明に見ることができません。
だから、大気の影響のない宇宙に望遠鏡が必要なのです。
現在、NASAが打ち上げた宇宙望遠鏡(HST)はさまざまな映像を撮影し、活躍しています。
しかし、微弱な惑星の光をとらえるのは、まだまだ大変で、さらに精度のよい望遠鏡を必要としているのです。
高度な光学技術を用い、ぼんやり光る惑星なども撮影できるような望遠鏡ができることが待ち望まれています。

精度の良い望遠鏡ができれば、それにこしたことはありませんが、他にも微弱な光をとらえる方法はあります。
それは、『われわれの月を”ついたて”として利用する』という方法です。
これは、月が星の前を通過する時の少しの間、星の光が減少することを利用したもので、その短い時間内に、惑星からの光をみつけるというものです。
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ball 第2の方法

『惑星の重力による母星の運動の変化』

もう少し詳しくいうと、『惑星の重力によって生じる母星の運動の軌道の乱れによって惑星を見つける』ということです。

星と惑星は、お互いに等しい強さの重力を及ぼしあっています。
しかし、星の方が惑星よりはるかに重いため、大きな軌道を描く惑星だけが動いているように見えるのです。
実際は、軌道が小さいながらも星も動いています。
このことにより、もし星が原因不明の運動をしていることが観測されれば、その星には、惑星がある可能性があることになるのです。
いままでも、そのような運動が十数例観測され、周りを回っている星が「惑星」ではないかと話題になりましたが、残念ながら違っていたようでした。

母星運動の図

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ball 第3の方法

『母星のスペクトルのドップラー効果による変化』

ドップラー効果は、光子源が私達に向かってきたり、離れたりするときに起こる光子エネルギーの変化のことです。

ある惑星が、星の周りを公転しているとすると、星はわずかではありますが、小さな軌道を描きます。
この小さな軌道を観測するかわりに、その星のスペクトルを観測すれば、軌道のある部分では私達に向かい、別の部分では私達から遠ざかっていることを調べることができるのです。
このように、その星が「惑星」をもっている可能性があるかどうかを調べるのに、スペクトルの変化を利用することもできるのです。

ドップラー効果の図

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ball 第4の方法

『惑星電波の検出』

木星は、ある時期に、ある電波振動数では太陽よりも多くの電波を放出しています。
この方法は、電波望遠鏡でそのような電波をみつけるというものです。
もし、私達が木星から受信するのに似た電波光子のバーストをみつけることができれば、その星の周りには、木星に似た惑星が存在する可能性があると考えられるというわけなのです。
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ball 第5の方法

『赤外放射の検出』

熱放射の法則によると、恒星は主として可視光を発するのですが、惑星は可視光よりもエネルギーの低い赤外線を発します。
星を調べた時に、その星から赤外放射が多く検出されれば、その星の近くに惑星がある可能性があることが考えられるのです。
このように、赤外放射のみかけの過剰は、惑星の存在を知らせる証拠となるのです。

赤外放射の図

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今まで惑星を探す方法はいろいろ考えられ、また実行されてきましたが、あまり成果はあがっていませんでした。
しかし、最近になって、研究者達の間で話題になった星があるのです。
『51Peg』と呼ばれる『ペガスス座51番星』です。
この星は、上記の第3の方法で調べられました。
この星が惑星をもつ可能性はかなり高いようで、今後の観測にかなりの期待がよせられています。
(51Pegについて詳しく知りたい人は、『ここのつの惑星』ほかの“太陽”系?を参照して下さい)

また、51Pegの他にも、新たに2つの惑星が発見されたそうです。(1996年2月現在)
これらの惑星については、これから確認作業が進められることになります。
最新の情報はこちらをクリック!(←バークレー大学)


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