黒潮・親潮

更新日 2010-02-28 | 作成日 2007-12-04

黒潮・親潮合流域における海流の力学

動機

Kuroshio-Oyashio map図1:黒潮・親潮合流域の模式図。
黒潮と親潮は図1のように衝突・合流しています。全面的に正面衝突せず,中間に 「混乱水域」(または「混合水域」)とよばれる海域をはさみます。この海域には,黒潮水の 一部と親潮水の半分ほどが進入します。その黒潮系水と親潮系水は,それぞれ渦を 形成しながら混在し,流動します。なぜこのような構造なのか,力学的に (海水にはたらく力と海水運動という観点から)理解することを長期的目標として, この研究を進めています。

方法

「数値実験」を用います。仮想的な海(数値モデル)を設置し,地形などの諸条件を与えます。その条件の下で模擬計算を行い,海水の流動とその時間的変化を求めます。数値モデルの例を図2に示します。地形は北太平洋を単純化したものです。海流は海上風で駆動しています。

model図2:数値モデルの例。

結果の例

日本南岸の海底斜面の役割を調べたケースの結果を図3に示します。平坦海底のケースでは,黒潮は変動が大きく流れが断片的です。海底斜面つきのケースでは,黒潮は比較的安定で,ひとつながりのジェット流です。検討の結果,以下のことがわかりました: (1) 海底斜面は黒潮の不安定を抑えるはたらきをします。 (2) 海底斜面があるとき,黒潮が海底斜面から離れるパターンが実現しやすいです。

model result図3:数値実験における時間平均の流れパターン。 (a) 平坦海底のケース。 (b) 海底斜面つきのケース。 色つきの線は最上層の流線を,矢印は最下層の流れを,それぞれ表します。 (b) における破線は海底斜面の外洋側の端を示します。