軌道と質量も微妙な関係



要素『fp』において、太陽系の形成 は学習しました。

太陽系における地球型惑星の進化の過程をみていえることは、『惑星の公転軌道 の半径とその質量が、惑星の運命を決定した。』ということです。

質量はちょうど良かったのに、軌道半径が…

たとえば金星の場合、軌道半径が小さすぎたために、太陽からの入射エネルギーが 地球の倍の大きさになってしまいました。
そのため、灼熱地獄となり、惑星には海が形成されず、初期の高圧の二酸化炭素が 海に吸収されることなく、いつまでも惑星を包むことになってしまったのです。


軌道半径はちょうど良かったのに、質量が…

火星の場合、太陽からの距離がかなりあったものの、大気による温室効果の ため、惑星形成当時はぎりぎり海を維持するだけの気温を維持することができた といわれています。
しかし、惑星の質量が小さすぎて、地熱が早期に失われてしまったために、 地球のようなマントルの対流による海底プレートの引き込み、海底にたまった 炭酸塩鉱物からの二酸化炭素の再放出のサイクルも断ち切られてしまいました。 その結果、大気は海水に吸収され、温室効果も終息して、惑星は急速に乾燥と 寒冷の道を歩んだのです。

火星がもう少し大きければ、おそらく現在もまだ火星には豊かな海が存在し、まず 間違いなく多くの生命が住んでいたかも知れません。



Written by Harumi Fujishima