生命誕生までの化学進化の時代

フラスコの中の原始地球

生命は海から生まれる

誕生につづく生物進化の時代



生命は海から生まれる

化学進化の時代において、原始大気から生み出された有機物は恐らく海に溶け込んで いったと考えられます。

舞台は、『大空から海へ』と移っていきます。

ミラーの実験において、『原始の海』に相当するものは単なる『水』でした。 この時代の海は、実際には有機物が溶け込んで、栄養豊富なスープのようなもの だったはずです。生命にとって必要な構成分子のほとんどが含まれていたでしょう。

そこで、『この海水が生命の発生に重要な役割を果たしたのではないか?』という ことが考えられます。

まず、下の表を見て下さい。 (水谷仁著『宇宙人はいるだろうか?』(岩波ジュニア新書)より)

順位 元素組成
人体 宇宙 地表
1 水素 水素 水素 炭素
2 酸素 ヘリウム 酸素 硅素
3 炭素 酸素 塩素 水素
4 窒素 炭素 ナトリウム アルミニウム
5 カルシウム 窒素 マグネシウムナトリウム
6 リン ネオン イオウ カルシウム
7 イオウ マグネシウム カルシウム
8 ナトリウム 硅素 カリウムマグネシウム
9 カリウム アルミニウム 炭素カリウム
10 塩素 窒素 チタン
11 マグネシウム イオウ
12 アルゴン
13 カルシウム

この表から、以下のようなことがいえます。

私達の体をつくっている元素の上位4つは、宇宙の元素組成とほぼ同じである。

地球外の生命も、この4つの元素(H,O,C,N)をもとにつくられるかも知れない。

私達の体をつくっている元素の11位までのリンを除く10種類の元素は、海の 組成元素と全く同じである

生物を形成する元素は、海水の組成と大変深い関係にある。



Written by Harumi Fujishima