生命誕生までの化学進化の時代

誕生につづく生物進化の時代

生命の進化と絶滅

サルからヒトへ



サルからヒトへ

この地球上において、そして宇宙において『知的生命』といえるのは、今のところ 私達人間しかわかっていません。そこで、サルからヒトへの進化を見てみましょう。 そこでは、ヒトだけが持つ特徴が分かるはずです。

ほ乳類は、その前に出現したは虫類が開拓した空間を利用して繁栄していました。 しかし、その中で、『サル類』だけは独自に、樹上空間を開拓しました。

サル類は熱帯林で生まれたとされています。 以下のような理由から、熱帯林は、彼らにとって安息の場であったと考えられ ています。

サル類に対する天敵がほとんどいなかった。
競合する生物や天敵がいないため、食物が十分あった。
樹上の生活において彼らは、それまでのほ乳類にはない進化をしました。 木から木への移動、果実や葉の採食など。これらの行動によって、彼らは 親指と他の4本の指が向き合うようになり、指で物をつかむ能力が発達しました。 物をつかむ能力の発達により、手と足の機能がはっきりと分かれました。

私達は、2本足で歩きます。ここまで進化するには、大きなハードルをいくつも 越えなければなりませんでした。
たとえば、

森林生活で手で食物をとる行動などによる、上体を直立した姿勢の確立 枝から枝への跳躍時などに、距離を正確に把握する能力の発達
血液の循環が水平でないため、心臓への負担が増大 両目が顔の前面で並ぶような進化(物体を立体的に把握できる)

さらに、陸上で生活するほ乳類のなかで霊長類だけが、多彩な色覚を獲得しました。

このように、

手と足の分化 直立姿勢の確立 視覚の発達

などは大脳の進化と密接な関係にあり、進化の基礎的な条件となったとされています。

サルがヒトに進化するための基盤は、森からでてサバンナ(木のまばらな 草原地帯のこと)に進出したことだとされています。
そこでは、2本足で歩く(2足直立歩行)、移動様式を獲得しました。

熱帯林、森林は、サルにとっては楽園でした。しかし、サバンナでは他 の種の動物や天敵がいるため、自分の身を守ることと狩猟による食物の獲得 が困難になってきました。

原始人類は道具の使用と製作、協同行動によってこの問題を解決してきました。 生活様式が次第に確立するにつれて、2足直立歩行、家族の形成、言葉の獲得、 精度の形成などがおこなわれ、ヒトへの完成の方向へ進化していったのです。




Written by Harumi Fujishima