地球上の進化において、知性が種の生き残りにとって大きな地位を占めており、 知性は生命の進化における、必然的な段階であると考えられています。

私達は病気を治し、飢えを満たし、地球のどんな場所にも移動できます。そして目標 対してどのように到達すればよいか、という知識を幾世代にわたって伝えることも できます。このように情報を集めたり、伝えたりする能力が、私達を『知的』にし ます。

もしも、地球の全人類が突然消滅したとしたら…?
知性を持つ新しい種が現れるまで、どれだけの時間が必要なのでしょうか?
1億年前、地球上に最初のほ乳類が出現しました。その後、300万年前に初めて ヒト科の動物が現れました。この2つの時代が、複雑な動物が現れてから、 知的生物が進化するまでに必要な時間を表しています。 この1億年が、おそらく地球に人間より賢い別の知的な種をもたらすのに十分な 時間だと考えることができます。

何らかの方法で人間が自滅したとすると、地球上の知的な『支配者』として、私達に 続くと思われる仲間を想像することができます。
たとえば、ある種の類人猿なら森からでて、農耕作業をしていた原始人の道すじを 歩んでいくでしょう。しかし、知性に向かう進化の道すじでも、利口なアライグマ族の 子孫だったり、道具を製作するタコの社会などのように、まったく私達とは異なった ものも想像することができます。

このように、人間が消滅すると、私達を進化させた自然選択の過程が、この惑星 の莫大な遺伝子のプールから、ふたたび知的な生物を産みだすでしょう。



Written by Harumi Fujishima