社会構造と言語が発達するにつれて、進化に大きな変化が生じます。
それ以前は、ある有機体から他の有機体へ情報を伝達する手段は、『遺伝子』
のみに限られていて、一生のうちで得られる以上の情報を、その脳が保存した
り処理したりすることはできませんでした。
たとえば、頭の良いサルが得た知識は、そのサルが死んでしまうとそのまま消えて
しまいます。
しかし、言語の発達により、知識の大部分は新しい構成員に受け継いでいくことが
できるようになりました。こうして、知識が急速に増大していきます。
進化において、ある程度までは社会の進化となり、個体の進化ではなくなります。
ある意味で中央集権の方が有利であり、自然に専門化が進んでいきます。
そこでは特に、環境をうまくコントロールできる社会が支配するようになります。
知的生命体が一種の社会と科学技術と社会構造を発達させる上で、集権化と専門化
は非常に有利に働きます。社会と科学技術は相互に進化するのです。