− 人類の自殺 −

古代から現代まで人類の歴史において、数多くの戦争が起きては破壊、殺戮など 悲しいつめ跡を残してきました。特に、湾岸戦争は記憶に新しいと思います。
悲しいことに、戦争が起こる可能性はいつまでも消えることはないでしょうし、 いつかは核保有国による全面核戦争の誘発の恐れもあります。
フランスは世界中の抗議を無視して、核実験を開始しました。

長崎、広島に落された原爆 や、その後の水爆実験等によって、私達の戦争に対する概念は一変しました。 水爆の使用は、戦争当事国だけでなく、全人類を絶滅へと導きます。

科学と技術の進歩が、『核エネルギー』の発見に至りました。 この2つの進歩は、人類が獲得した偉大な知的活動の成果といえます。おかげで、 私達は、便利で快適な生活が過ごせるようになり、果ては、地球の反対側の人と 瞬時の内に通信し、半日あればそこまで飛んでいけるようになりました。 また、日本が長寿国であるということもその恩恵に預っているのです。

しかし反面では、同時進行で兵器の発達も同じ恩恵を受けてきました。 兵器の発達史は、そのまま科学技術の発達史に対応しています。つまり、新兵器の開発 は、科学技術の最先端の創造物であるということを示しています。 これから先、ますます科学技術は進歩し、とどまるところを知りません。

私達は今、核の脅威にさらされつつ、現代文明を繁栄させています。 にもかかわらず、人類自身の知能によって創り出された『人類滅亡』の危機が 影をひそめて待ち受けています。

核の問題は、私達が避けては通れない、そして、避けてはならない問題です。
繁栄と滅亡は紙一重なのですから。



Written by Harumi Fujishima