教育研究

「保育を語る会」のご案内

 大分大学教育学部附属幼稚園では、現場教職員相互の交流・情報交換を目的として「保育を語る会」を開いています。毎回、各方面で幼児教育をリードされている方々を講師に招き、講話をもとにした話し合いや日頃の保育についての話ができればと考えております。幼児教育の現状を知りたい小学校の先生方の参加も可能です。みなさま、どうぞお気軽にご参加ください。 ⇒ 第1~7回の様子はこちら

場所

大分大学教育学部附属幼稚園 会議室

日程・内容 (3学期の予定)

番号 月日  時間  講師  内容
8 3月9日
(金)
15:00~17:00 大野 歩 先生
(大分大学教育学部准教授)
本園教諭2名
配慮を要する幼児への保育実践
 ~事例を通して考える~
①「困り」の把握と支援方法
②「集団づくり」を通した子どもの成長
③園内の「相談・支援体制」他

※今後については現在計画中です。決まり次第掲載いたします。

申し込み方法

 下記の申込用紙を印刷・記入の上,FAX(097-543-9514)まで各講座の前日までに申し込んでください

その他

*参加費用は無料です。

*入構の際は,案内を提示してください

*駐車場は,実践センターをお借りしています。警備の方の指示に従って,駐車してください。

*問い合わせは,大分大学教育学部附属幼稚園(TEL:097-544-4449)まで。

*現時点での予定で、都合により変更することがあります。予めご了承ください。変更があった場合はホームページでお知らせします。





大分大学准教授 永田誠 先生

第1回「保育を語る会」(6/28)

講師:大分大学准教授 永田誠 先生

テーマ:もし、附属幼稚園の親子が100人だったら

~幼児の生活体験と発達資産に関する踏査結果から~

  附属幼稚園を対象に行った2006年と2016年の2回のアンケート調査により、10年間の時間的経過における幼児の日常生活の状況と親の子育て意識の変容について考察された結果をお話下さいました。
  調査の結果、附属幼稚園では、園児とその親が早寝・早起きになってきていることや、一方で睡眠時間はやや短くなってきていることなどがわかったということでした。
  子育てについての情報が溢れている今、親は少なからず迷い悩んでいるはずです。家庭での教育基盤が子どもの育ちを左右するとなれば、保育現場にいる私たちは何ができるのか、大変興味深くて重い課題を提起していただいたと感じました。

大分大学准教授 田中洋 先生

第2回「保育を語る会」(8/4)

講師:大分大学准教授 田中洋 先生

ワークショップ:「光る泥だんごづくり」

~泥だんごづくりをしながら語り合おう~

  「九附連大分大会」のワークショップと相乗りの形で「保育を語る会」を開催しました。九州各地の幼稚園現場の先生方と交流する機会は滅多にありませんから、少しでもそれができたなら良かったと思います。
  泥団子は、多くの先生方の、或る者は我を忘れ、或る者は童心に戻り、或る者はムキになり、また或る者は夢中で作ったとのこと・・・。感想には「是非子どもたちと作ってみたい。」という声が多く寄せられました。真夏の大変暑い日でしたが、「夏休みに楽しかった研修」の一つに数えて頂けたのではないかと思います。作り方を、PDFで添付します。是非、自園でお試し下さい。⇒「光る泥団子の作り方」

私立ふたば保育園  吉田茂 園長

第3回「保育を語る会」(8/10)

講師:私立ふたば保育園 吉田茂 園長

テーマ:新指導要領を考える

~園の実践はどう変わるか~

  今年度「保育を語る会」の視点の一つは、幼児教育の3つの現場である幼稚園、保育園、子ども園を「繋ぐ」ということです。今回「教育要領」や「保育指針」が改訂されたのには、3つの現場の「保育の質」を揃えようという意図があります。つまり、これからは3つの現場がお互いに学び合い、高め合う必要があるということです。
  そこで早速「保育園」の現場から、研究者でもある大分市のふたば保育園の吉田茂園長にお話を頂きました。保育園では、これから何を変え、何を変えずにやっていけばいいのか、具体的な子どもの姿を通して考え、試行錯誤されている様子を、たくさんの動画やスライドで紹介して下さいました。また、吉田先生の子どもたちを見つめるまなざしの温かさに、保育者としての原点を学ばせて頂きました。

大分療育センター 作業療法士  澤井真紀先生

第4回「保育を語る会」(10/26)

講師:大分療育センター 
   作業療法士 澤井真紀先生

テーマ:子どもの発達

~感覚統合の視点から~

  動きがぎこちない、姿勢が保持できない、バランスが悪い、目立って不器用・・・などなど、体や運動に関しての「気になる子ども」たちは少なくありません。これをどう理解し判断し保育場面につなぐのか?今回は、こんな現場のリアルな悩みに示唆を与えて下さる貴重な講演でした。
  「感覚」とは何で、「感覚を統合する」ことがどれだけ大事かなのか、それを促す運動にはどのようなものがあるかなどを具体的に示して頂きました。聴講者からの質問に応えて、「エジソン箸」から2本箸に変えさせる間にも、本当はスモールステップが必要であることなど、早速明日からの保育実践に加えることができる情報もありました。
澤井真紀先生実践風景  参加された方の感想に、「もっと時間がほしかった」との回答もあり「特別支援教育」の研修ニーズは高いと感じました。これからも、保育現場の先生方に役立つ内容を工夫していきたいと思います。




スクールカウンセラー  佐藤百合子先生

第5回「保育を語る会」(11/9)

講師:スクールカウンセラー
       佐藤百合子 先生

テーマ:発達特性の理解と配慮

~主に幼児期を中心として~

  「幼稚園では何の問題も指摘されなかったのに、こんなことに躓くなんて!」入学して数ヶ月経った頃、初めて子どもの発達上の強い特性(課題)に気が付いて慌てることがあります。「元気に友だちと良く遊んでいましたよ」幼稚園の先生は驚き首を傾げます。
  佐藤先生のお話は、そんなケースに対する解釈と知見を私たちに与えて下さるお話でした。人間の発達は本来「でこぼこ(凸凹)」であり、大人になっても決してそれが平らにはならないこと。小学校では、机上の学習が増えて「音読が苦手」「書字が苦手」「忘れっぽい」などと「ぼこ(凹)」が目立つようになるが、これを「本人の困り具合」として受け止めることが大切なこと。そして適切な方法で「困り」の軽減を図りながらも、「でこ(凸)」を見抜いて伸ばし、自尊心を育むことが大切であると教えてくださいました。
  「5歳児検診」を実施している自治体では、入学前にこの発達上の課題を見つけ、入学までに「適切な働きかけ」をすることによって、少しでも小学校で予想される「困り」を小さくしようとしています。検診の無いところでは、幼児教育現場にいる私たちが、将来「困り」につながるであろう子どもたちの発達の課題を見抜いて、適切な配慮や支援をしていかねばならないと感じました。
  来年度の「保育を語る会」では、佐藤先生の講話第2弾として、具体的な子どもの姿を通した「事例検討会」を持ちたいと考えています。




大分大学教育学部准教授  大野歩先生

第6回「保育を語る会」(11/30)

講師:大分大学教育学部准教授
         大野歩 先生

テーマ:乳幼児期の学びを見取る「保育評価」

  いよいよ4ヶ月後に、新しい「幼稚園教育要領」「保育所保育指針」「認定こども園教育・保育要領」がスタートします。3つに共通して「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」(10の姿)が示されたことは、今回の最も大きな改正点です。
「何となく育っていってるとは思うけれど、大丈夫かな?」
「ウチの園の子だけ育っていないのはやはりまずいよな」
こんなつぶやきさえ聞こえてきそうです。
  ここで、必要となるであろう「保育評価」はどうあればいいのかということを、今回、大野先生に教えていただきました。幼児教育の先進地スウェーデンの保育者の言葉として、「評価は、カリキュラムのねらいへ向かう新たな道を見つけるものよ。ドキュメンテーションを作る課程で、自分たちの保育が見えてくるの。そうしたら、新しい目標ができるし、うまくいけば、子どもたちにもっと良い保育ができると思うわ。」という言葉が印象的で、評価やその具体的手法であるドキュメンテーションも、手段ではあり目的ではないということを改めて肝に銘じたいと思います。
  1月27日の本園の公開研究協議会では、目の前の具体的な子どもたちの姿を通して、この「保育評価」についての話題もできればと考えています。
  皆様のご参加を心よりお待ちしています。




大分大学教育学部准教授  大野歩先生

第7回「保育を語る会」(12/9)

講師:佐賀大学教育学部附属幼稚園
       副園長 庄籠道子 先生

テーマ:子どもを理解するということ

~「ある」から「なる」へ~

  庄籠先生は、長年幼児教育の最先端でご活躍されてこられ、ご講演の随所に子どもたちへの深い愛情と尊敬の念が感じられました。「この子は、なぜこんなことをするのだろう?」私たちは、自分の「ものさし」で子どもたちを測ろうとし、測れぬ子どもに出会うと、しばしば戸惑い、子ども自身や親の子育てに原因を求めます。しかし、庄籠先生は違います。子どもと向き合い、ありのままの姿に寄り添い、その子の立ち上がりを焦らずじっくりと見届けようとされている。子どもたちを決して「保育の対象」としてではなく、自らの力で生きようとするひとつの「いのち」として接しておられるのだと思いました。
  ご講演の「~『ある』から『なる』~」(鯨岡峻氏の言葉)は、正に「子ども理解」の急所を突く考え方です。これは、幼児教育だけでなく人を育てる全ての現場に生かせる理念だと思います。鯨岡氏の提唱されているエピソード記録の考え方にも共感できる部分が多く、日々の保育活動に参考になるお話ばかりでした。
  今回は、土曜日の午後に設定したため、公立幼稚園や小学校の先生方の参加が殆どでした。教材の作成(ほしぼう・紙コップ人形)や集団活動(リトミック)もあり、内容が豊富で良かったとのご意見を頂きました。今後に是非生かしていきたいと思います。

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